MTを制作環境として利用する
制作環境の母艦として、DreamweaverでもContributeでもなく、MovableTypeを利用するというののを考えてみました。
先日久しぶりに参加した WCAN という勉強会で、ビジネス・アーキテクツの制作の方が『クライアントが原稿を作成する段階でHTMLにしてしまう』というお話をされていました。
クライアントから受け取った原稿がWordのなんの構造情報もない、広い草原のように平たいファイルだということはよくあります。まあそれは致し方ないとしてもExcelでセルごとにレイアウトされた日にはもう泣きそうになりますから、その考え方には賛成です。
今回はそれを実現するために、DreamweaverとContributeを使った方法を紹介されていたのですが、よっぽどの超大規模サイト、大規模制作会社でない限りその方法を採用するメリットはないように思えました。(もちろんそういう会社の方の話なので当たり前といえば当たり前ですが…)
比較的小さな規模でそれを実現するには例えばどういう方法があるか、を私なりに構想してみます。
制作環境としてMovableTypeを利用する
公開環境ではなく、制作環境の母艦としてMovableTypeを利用するというのはどうでしょうか。
- まず自分とクライアントだけがアクセスできるテスト環境にMovableTypeをインストールします。そしてサイト構成やワーヤーフレームが決定した段階でHTML、MovableTypeテンプレートにしてしまいます。もちろんワイヤーフレームに沿って共通項目は全てモジュール化します。
- 管理画面も分かりやすくカスタマイズし、更新権限をクライアントに渡します。クライアントはブラウザから入力項目に沿って入力していくことで、原稿を作成していきます。見出し等は入力項目そのままで、wisywigもルール(改行を連打しないでね等)を守って入力してもらえば出力タグは制御できます。
- 同時進行でデザイニング、そしてデザインをCSSでワイヤーフレームのHTMLに実装していきます。
2つの作業が終了した段階で、既にサイトはほぼ完成しています。 - 最後にMovableTypeスタティックパブリシングで再構築して出力したHTMLファイルを公開サーバにアップロード。
もちろんこの段階で「更新も簡単なCMSサイト」が出来上がっている訳なので、あえて静的ファイルを納品する意味はないですが、その辺は初期予算や更新や保守をどうするかという営業的な事情によって、でしょうか。
ということで、別にContributeのような特別なソフトウェア環境、また MSOffice ような一手間増えるファイル形式をクライアントに要求しなくても、誰でも持っているウェブブラウザを使った新しいワークフローは実現できてしまいます。
ここでMovableTypeとしたのは、オープンソースの中でもモジュール管理系がやりやすいかなと思っただけで、もちろん他のものでもいけると思います。
といえど、会社としてのワークフローについては、他にどんないい方法があっても簡単には変えられないものだと思います。
会社のワークフローは古風である必要すらある
ワークフローの統一はは会社の複数人での業務効率化という意味では大切だけど、逆にそれに縛られてしまうという面も確実あります。
会社としてのワークフローがしっかりしていればしているほど保守的であり、古風である必要すらあるのです。
例えば誰かの1人の能力が高く新しい方法を採りたくても、ディレクタを含め制作者全員が理解できるレベルにないとそれを社内フローとして定義することは出来ません。
1年前の手法が古く感じるこの世界だからこそ起こる仕方のないことだと思いますが、この辺り、WEBデザイナーのフリーランス転向率が高い理由の1つじゃないかなと思っています。
Dreamweaver を捨てるとまではいかないが
私も数年前までは Dreamweaver をバリバリに使っていました。
上のイラストは誇張でありゴミ箱に捨てるまでは行きませんが、今では起動することすら滅多にありません。
そもそもオープンソースCMSがこれだけ充実した今、HTML管理ソフトで微動だにしない静的HTMLファイルを大量生産すること自体、あまり意味ではと感じています。
CMSにする予算がないからだよ!とつっこまれると思います。しかしこれは私の感覚ですが、10ページ超えるくらいであれば CMS にしちゃった方が制作工数は少なくできてしまう場合は多いです。
Posted on 2008/09/22DEVELOPMENT MovableType