CityWall in Helsinki
先日訪れたヘルシンキで面白いものを見つけました。CityWall と題されたこのスクリーンは、ヘルシンキ中心にある広場の一角に設置されています。
CityWallに表示されるコンテンツはヘルシンキのイベントや祭事の時の写真や映像で、それはEmailからの投稿はもちろん、FlickrやYouTubeからデータを引張っているようです。
IPCityによるプロジェクトで、タッチスクリーンの技術はヘルシンキ情報工科大学のグループによって開発されたようです。
これを見て私が感動したのは、アイディアや技術の目新しさにではなく(それももちろん)、こういったプロジェクトが実行され街の真ん中に設置されているという事実そのものにです。
EUという政府レベルでプロジェクトが動き、大学が開発し、モラルとリテラシーを持った人々が利用し、より豊かな生活に取り入れられていく。
難しいことはぬきにしても、実際にこうして市民の方が楽しく利用し、地域イベントに対しての関心を促して行く場面を見ると、本当に価値のあるプロジェクトだと思いました。
ITがビジネスの道具としてしか発展し得ない、ネット社会には常にインモラルな行動がつきまとうような状況の日本とは、ITそのものに対する捉え方から大きく違っているように感じます。
日本はブロードバンドも家庭用パソコンも普及し、日本語ブログ投稿数は世界一。日本人のITリテラシーはとても高いように見えます。
しかしフィンランドの人たちが持っているのは、パソコンを使える、ブログを書けるといった表面的なものだけではなく、国民性や学校での情報教育といったレベルでのITに対する考え方としてのリテラシーではないかと強く感じました。
CityWall:http://citywall.org/
Posted on 2007/07/18TRIP