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時速300kmのグラフィックデザイン

F1のカラーリングについての私的マニアックトーク。機械じみていないオシャレなカラーリングとは。

F1に限らず、モータースポーツは企業スポンサーの資金によって開発運営され、その車体にはスポンサーシップの大小に応じて企業のロゴや企業カラーによってカラーリングされています。全世界にテレビ放送されるF1マシンの車体は、さながら時速300kmの広告塔。
以前はタバコメーカー全盛だったF1も、各国のタバコ広告規制により衰退し今は様々な業種の企業が各チームのマシンを彩っています。

近年はどこか機械じみたカラーリングが多い

近年のF1マシンは、シルバーやブラック、レッド、ダークブルーといったクールな色を、グラデーションを多用してとにかく速そうにグラフィカルに描くというカラーリングが多くなっている気がします。(具体例としては、現行のマクラーレントヨタのような…)

こういうカラーというのは、男の子的思考でいえばむしろカッコいいのかもしれませんが、私はこういう(アシックスのランニングシューズ的というか体育の先生ジャージ的というか東南アジアの原付バイク的な)カッコつけ感がどうしても好きになれません。

昔はもっとポップでフレンドリーな、例えば『ヨーロッパの自転車競技のジャージ』的なカラーリングがもっと沢山あって、そういうのが好きな自分にはなかなか好きになるマシンがありません。

そんな中、2009年の新車ラインナップの中に個人的にかなり気に入った車が登場しました。

FORCE INDIA : VJM02

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インド系チーム FORCE INDIA の新車です。
まさにインドの国旗の配色なのですが、グリーンをかなりポップに振ったせいか、意外なほどにヨーロッパ的な印象を受けます。明るめなオレンジとグリーンの割合、後方に向かっていくラインのあしらいといい、なんとも可愛らしいオシャレ感を醸し出しています。弱小チームなので速くはないと思いますが、俄然応援したくなります。

以下に、過去の歴史の中で個人的にお気に入りのものを紹介します。

RENAULT F1 : R27

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つい最近まで走っていた2007〜2008年のルノーです。
INGという企業がスポンサーになって生まれたものですが、下部と先端を引き締めるネイビーに鮮やかなオレンジとイエロー、それが3次元の空力パーツに絶妙なバランスでまとわりついています。たぶん『実物を見ると感動する』系のものすごく難易度の高いカラーリングだと思います。

BENETTON FORD : B192

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一気に10年以上昔になりますが、1992年、1993年のベネトンです。
キャメルイエローにグリーンの帯。いろんな意味で話題だったマシンですが、カラーリングはやはり強烈な印象があります。歴代全マシンの中で好きなの1台だけ選ぶとしたら、私は0.2秒で「B192」と答えます。

こういう個性的な形状のデザインの車は、プラモデルになってもカッコいいのです。
http://www.tamiya.com/japan/products/list/20car/html/20036.htm

WILLIAMS RENAULT : FW15

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ウィリアムズ全盛期のカラーリング。主張しすぎないキャメルイエローの被さり方もいいし、キヤノンのロゴもアクセントとなって全体として絶妙なカラーリングです。この時代タイヤのペイントが黄色かったことも功を奏しています。

LIGIER RENAULT : JS39

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ファンには懐かしすぎるリジェ。
ジタンというフランスのタバコがメインスポンサーで、公式にはネイビー一色だったのですが、なぜか数戦だけ登場したレアな別注カラー。ジタン(スペインのジプシー女性)が踊るとても速く走ろうとは思っていないようなデザインです。

WILLIAMS FORD : FW08

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1982年のウィリアムズ。
これは私も知らない時代ですが、今回いろいろ調べていて見つけました。昔のヨーロッパのポスターから飛び出したようなカラーリングです。

マシンの形状自体、昔は角張っていて、現代は3次元でうねうねしているという根本的な違いがあると思いますが、やはり時代を遡るほど3次元的な曲線デザインは減り、直線のラインが多くなっています。

時代が巻き戻される2009年

ここで紹介した画像は全て真横ですが、実際マシンを真横から見ることはほとんどありません。形状が複雑であればあるほど、見る角度によって色のラインは分からなくなります。細かい空力パーツが発達した近年は、カラーリングに関して言えばこうしてじっくり見ない限り、正直『よく分からない』という状態でした。

しかし、2009年は大幅な規約変更によりごちゃごちゃとした細かい空力パーツが全て禁止になります。(一番上と二番面の画像を比べるとよく分かる)

10年くらい遡ったほどシンプルになる、つまりカラーリングの意匠がより分かりやすくなるということです。前後ウィングがかなり格好悪くなるのは残念ですが、カラーリングフェチとしては少し楽しみでもあります。

とにかく、久々のヒット作 2009 FORCE INDIA はおすすめです。
2009年の開幕は 3月29日のオーストラリア!

Posted on 2009/03/07F1

1 Comment

  1. しんさん | Posted on 2009/03/18

    こんにちは!自分的にもFORCE INDIA : VJM02の配色はヤバイですね。たまたまですが今春Analogのパーカーと同色で、即完売でした(笑)♪ PS:3/27(金)21:00から春のパーティで騒ぐので是非どうぞー♪

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