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メールマガジンの登録解除を簡単にする

入口を広くするなら、出口を広くしてから。

「メールマガジン」というと、日本ではなぜかあまりいいイメージがない。

文字ばかりの長文、記号を沢山組み合わせて文章装飾にしてみたり。とにかくノイズが多すぎて読む気にならない。
そして何より、配信を解除する方法が非常に分かりづらい。

事例1

  1. 本文の一番下に小さな文字で「配信解除はこちら」などというリンクがある
  2. クリックするとその会員サービスのログイン画面になる(多くはログイン情報など覚えておらずめんどくさくなり諦める。)
  3. 挫けずに「ID・パスワードをお忘れの方はこちら」などからがんばってログインする
  4. ついにログインできても、マイページから配信を解除する画面への行き方が分からない
  5. ついに解除画面へたどり着き、解除する。
  6. 配信解除まで2,3日かかります。その間は配信される可能性がありますがご了承ください。

この流れはインターネットに慣れている人なら一度は体験したことがあるのではないだろうか。

事例2

  1. 本文の一番下にふつうくらいの文字サイズで「unsubscribe(購読をやめる)」というリンクがある。
  2. リンクをクリックするとブラウザで「Thank you! You have been successfully removed from this subscriber list(配信を解除しました、ありがとう!)」という画面が現れる。

screen 2012-12-07 18.07.59

つまり、メール内にある配信解除というリンク自体に配信を解除するためのパラメータが含まれていて、それをクリックした瞬間に全て終わるということだ。

なんという爽やかさ。ここまで爽やかに別れを告げられると、少し名残惜しい気さえする。やめ方が簡単だと分かると、再び登録することへの心理的な障害はほとんど無くなるのだ。

私の印象では、国内のメールマガジンの多くは前者のような仕組みになっていることが非常に多い。そして海外の今をときめくWebサービス等は全て後者の形が当たり前になっている。

国ごとにメールマガジン配信の法律が異なることが大きいが、法律の問題というよりはUXデザインの考え方自体が日本は非常に遅れているということだと感じる。
WEBの世界では、まず何かよりよいアイディアが生まれ、沢山のユーザーが喜び、結果として法律が変わる。ということが少なくない。

「そんな法律がないから登録解除を難しくしてもよい」ではなく、ユーザーにもっとも良い方法を提供することが求められている時代だ。

Posted on 2014/01/19IDEAS and TOOLS

2 Comments

  1. Konishi Hasuaki | Posted on 2016/01/24

    メルマガの作成にあたって、デザイン面で気にすべきことはなんでしょうか?

  2. admin | Posted on 2016/02/10

    コメントありがとうございます。

    メルマガのデザインということでまずそれはHTMLメールだという前提でお返事します。

    結論としては「ニュースを1つだけ、シンプルに表現する」にするということだと思います。

    そしてデザインするということは、単に既成テンプレートを用いた今風なシンプルさを使うということではなく、相手にとってのこちらのイメージ(ブランドや企業イメージ等)をそのデザインでも踏襲するということです。

    開いた瞬間に「誰であるか」「ニュースは何か」が分かることはメルマガデザインで大切なポイントだと思います。

    もう1つ、人が不快感を感じるのはどのような時かということを考えると「予測以外のことが起こる時」、「自分の周りで動くこころよいルーチンが壊される時」です。逆に言うと、ルーチンに入っていればそれが実際にはノイズだとしてもさほど不快に感じない事もあります。

    メルマガというとあまり良いイメージはなく、「2,3回受取って何か不快感を感じて即解除」というものがあると思います。

    一方で「ほとんど興味もなく1度だけ開いてすぐ削除するけれど、なぜか購読解除はしない。それがずっと続いている」という物もあるのではないでしょうか。

    それは、1通1通何か強いメッセージ性を持たせて主張するのではなく、ある一定のフォーマット、ある一定の周期、ある一定の温度感で発行することで相手の受信箱で起こるルーチンの1つになり得るということです。

    「ほとんど興味もなく1度だけ開いてすぐ削除するけれど、なぜか購読解除はしない。それがずっと続いている」
    というメルマガは自分と相手との継続的コミュニケーションを発生させるための基盤になると思います。

    一般化できるお話としてはこのくらいでしょうか。

    ウェブサイトは検索やSNSから流入する「初対面」であることを前提に潜在顧客へのマーケティングを主眼に制作される一方で、メルマガの場合は既に接点を持った後のコミュニケーションであるという点です。

    このコミュニケーションは両者の関係性がどのようなものであるかによって全く変わるため、一般化することは難しいですね。

    宣伝目的のテキストメルマガが生まれたあと、「宣伝目的でも担当者の個性を出す方がいい」とまず最初に他愛のない世間話を入れてみたり、ということが流行りました。今でも日本ではそういうメルマガは多いと思います。

    しかしそれが個人的に出された手紙でないことが明白な事実である以上、そういったやり方も逆効果(少なくとも若い世代に向けたものであれば)となっていくと感じています。

    自分と相手の関係性を客観的に見た上で「もし自分が相手の立場だったらどう感じるか」を徹底的にリサーチすることが大切です。相手の年齢、職業、性別ごとにペルソナ手法を用いて仮定し、どんなメルマガだと好感が持てるか、逆に不快に感じるかを考えます。
    それで、もしどうやっても不快さが消せないとしたら、そのメルマガは送るべきではないでしょう。

    久しぶりに長々と書いてしまいましたが、ご参考になればと思います。

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