日本語WEBデザイン
ローマ字言語のサイトを日本語化すると大抵は間抜けな雰囲気になってしまうのはなぜだろう。
海外ですごい勢いで成長しきた Glam 日本版がオープンしていますが、割とかっこよくまとまっているような気がします。
Glam.com ⇔ Glam.jp
なぜ日本語サイトは間抜けな印象になるのか
「意味が分からないことで文字自体をデザインとして見ることができる」という感覚的なものもあるけれど、特にWEBにおいて言えることは、「ピクセル表現上での日本語は可読性を保つ為の最小文字サイズが大きい」という点があると思います。
ローマ字はその造形自体がシンプルであること、また単語ごとに必ずスペースが発生するという法則から、10pxの文字でも十分に読めてしまう。
それが日本語となると、漢字が混じることで10ピクセルではとてもじゃないけど読みづらい、また読みづらい以前に文字が潰れてしまう。
文字が小さくできるローマ字は、カラム自体が1つのブロックオブジェクトとして扱いやすくなり、全体のデザインがまとまりやすくなる。
文字を大きくせざるを得ない漢字は、カラムがブロックではなく「文字のちらばり」のような印象になってしまうため結果的にデザインとしては扱い辛く、スカスカのブロックのような印象になる。
この文字自体の特性をうまくまとめる所に、全体のサイト印象に大きく影響するセンスが現われると思います。
『フォントサイズが大きい=読みやすい』ではない
読みやすさを重視すれば「フォントサイズを大きくすればいい」と単純に考えがちですが、「フォントサイズが大きければ見やすい」とは限らないのがWEBデザインの特徴だと思います。
理由として、スクリーンという固定サイズの画面上では、フォントの大きさと一覧できる文字量が反比例するからだと思います。文字サイズが大きければそれだけ一覧性が犠牲になり、一覧可能な範囲が狭いということはまた別のストレスを生みます。
なのでフォントサイズも大切ではありますが、もっと気を遣うべきなのは実は CSS でのフォントの種類、行間、1行の文字数、背景色と文字色の関係だと思います。
Glam 日本版がそこまで野暮ったくならなかったというのも、その辺りがポイントではと思います。
その他、アンチエイリアスが綺麗な MacOS や Windows Safari などでの閲覧を前提として、日本語の良さが出る明朝体をうまく使っているサイトはとても読みやすく、綺麗です。
話は大きくそれて
この Glam.jp を見ていてひどく残念な部分もありました。
メインコンテンツはいわゆるスイーツな女性たちのブログなのですが、人によって写真サイズがばらばらだったり、改行スタイルも統一されていなかったりと、書式については無法地帯だということ。
またワードか何か、他のエディタからそのままコピーペーストされ、様々なスタイル情報がインラインで入ってしまいサイトの文字スタイルが無視されてしまっている記事まであります。
これはある意味で仕方なかったり、今をときめく改行ばかりの文章もそれが個性と言ってしまうこともできますが、ブランディングを含めたサイトの継続的なクオリティ維持の為にはこの辺りまでしっかりと統一した方がいい気がします。
ブログは WordPress で作られているようなので WISYWIG で自由に書いているのだと思いますが、例え更新者にHTML の知識がないとしても、最低限読みやすい段落の付け方くらいは意識してもらい、改行を1回押す事、2回押す事、Shift押しながら改行すること、それらがどんな意味を持つのかという教育は必要だと思います。
CMSにしたからといって、権限を渡すだけでは不十分というよい例ではないかと思います。あえてスイーツっぽさを醸し出す戦略だとしたら、それはそれでハイレベルです。